memories

2021年07月08日

初冬

山茶花の細い白い花びら
小春日和の昼
音もなく風に散る
時間を越えた遠い村
微かな香の花びらを掌に乗せていた。
岬の果ては北西風の東シナ海
曖昧な海の色が冬を予感させる
鶴たちも越冬地に渡り
海峡に波の音が騒ぐ
波止場の鼻の風に隠れ一人戯れていた。
子どもたちは村の杉林に入り
杉落葉を競って集め
十文字に縛り背負う
山の斜面の自然薯を堀り
収穫物と母の笑顔を思い風の坂を下る。
束の間の休み
凧を作り藁小積みに寄りかかり
北風を掬い損ね墜落する凧を繕いながら
一日中笑いさざめき 時を忘れ
初冬の風に揉まれていた。少年の日々。


高校時代の恩師が、
きっちりと大晦日まで生きて昨年旅立たれたと、知りました。
人生100年時代を謳歌していかれるような若々しいお姿でしたので、
まさか75年で幕を下ろされるとは思いませんでした。
いつでもお会いできると甘い思いでおりました。
みんなに愛された先生でした。

「初冬」は、奥様に地元紙への投稿を託された絶筆となった詩とのこと。
子どもの頃の思い出がやはり人生の最期には浮かぶのでしょうね。
直接少年時代のお話を伺ってみたかった。
いつも自分たちの事ばかり話して、先生の事を聞いていなかったのでした。
後悔先に立たず
打てば響く、言葉のキャッチボールが楽しい先生でした。
「山茶花の花びらは細くないよー」
と早速突っ込んでみたけれど、なんと返してくれるかな?
「そういう感性しかないからお前はダメなんですよ!」とか・・・

温かいご指導、ありがとうございました。
黄泉の暮らしも楽しんでくださいね!



chou23 at 20:01|この記事のURLComments(0)

2019年04月30日

明日から「令和」

平成最後に、護国寺「月窓軒」にての初お点前を体験させて頂きました。これまで何度か客として参加させて頂いてきた大寄せのお茶会ですが、お席を受け持つ方に回れば、まあ早朝から準備に忙しく、慌ただしく、表のお席と裏の水屋との心持ちを切り替えて望むのも大変でした。いつもこんなご苦労の中、お茶をもてなして下さっていたのだと知りつつ、なんとかお点前は無事???務めさせて頂きまして、次はもう少しゆったりとした中で、先生が素敵に設えて下さったお席をしっかり味わいながらお務めしたい…などと贅沢描き始めております。
月窓軒
<画像はクリックすると大きくなります> 

さて、「平成」は今日のPM12:00まで、明日のAM0:00からは「令和」。
なんだかピンと来ていませんが、ちゃんと受け止めなければいけませんね。見通しの良い、明るい時代が待っている訳ではないという現実も。美智子さまのお姿が余り拝見できなくなるのは寂しいけれど、ゆったりとお過ごし頂くことの方が大切。さて、雅子さまはどんな皇后像を描かれるでしょうか。美智子さまを踏襲されつつ全く違った皇后になられるのでしょうね。楽しみです!そして次の天皇は愛子さまになって頂きたいな〜と思いつつ、その頃私は現世にはおらずかも。一目拝見してからこの世におさらばしたいという高齢特有の気持ちが分かるようになってきました!そんなことに気付きつつ、さよなら、平成!!

chou23 at 17:33|この記事のURLComments(0)

2017年02月18日

ブルーナーさん

ミッフィーの生みの親、
ディック・ブルーナーさんが16日に亡くなられたのだそうです。
89才。
私はミッフィー好きとして近しい人には知られておりますが、
正確には、ブルーナーさんが好きなのでした。
様々な要素をきちんと整理して表現される画力が、
本当に素敵だな〜とあこがれ、
またそのルックスも、
オランダの町と自転車とブルーナーさんはなんと絵になるのだろうと!
そうですか、そうですか、いつかはね・・・。

謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。

ブルーナさんの素敵なデザインに出会えて、とても幸せでした。

ミッフィー
残された作品は永遠に


2016年02月22日

ともだち

mini雲はみんな横顔だ

一昨日は「奥村まことさんのお別れ会」でした。2016年2月11日、ご自宅よりたいへん穏やかに、すうっと、とびたたれたという建築家奥村まことさん。享年85歳。
人生全うした時に、多くの人が、一堂に会して偲びたいと思う、そんな人であるために必要なのは、スター性というものなのでしょうかねぇ? 特別な人のみに思うのではなく、あらゆる人に対して生前のご縁に感謝しつつ偲びたいと、潜在的には思っているのでしょうが、なかなか物理的にそれが叶わないことも多く・・・。
スター性だけで集まった人々の想いは、フワフワ方向性定まらずどう偲べばよいか?となり、結果既成の方式に則るという選択にたどり着きがち。ところが故人の人徳にそのお友達の人徳が加わると、オリジナリティある素敵な心に残る温かなセレモニーが開ける!ということを教えて頂いたのは、2013年4月2日明日館で開催されたまことさんの夫であられる奥村昭雄さんを思い出す会でした。まことさんとのお別れ会ではさらに、住まいが一堂となり得るには、庭が有り、住まいが庭に開かれていること、そしてスペースが転用できることがとても有効だということも教えて頂きました。
奥村夫妻は、間接的にしか接点のない人にも分け隔てなく沢山大切なことを教えてくださった。住まいの役割は本来こんなに大きいものなのだったということ、ともだちという言葉、改めて大切なものだと実感致しました。
まことさん、そのお友達の皆さま、お別れ会の調理場に立つという貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。人のつながりが美しいと思えて、幸せでした。
トップの画像は開催挨拶文に添えられていたまことさん作の絵。
こんな絵を描いてくれる人が傍にいる子どもたちはしあわせだな〜。
まことさん、時々雲になって横顔を見せて下さいね〜。出会えて、良かった!!

2013年04月03日

4月2日の明日館

4月2日の桜
3月22日に満開となった明日館の桜。この日まで散るのを待っていてくれたような今日の花嵐。  続きを読む

2013年02月25日

ここに生きる

ここに生きる

昨年クリスマスにサンタさんが届けてくれた贈り物は、『ここに生きる』というDVD。
毎年毎年、年末の第九の合唱に参加することを生活の中の“大切”としている人々を通して、ひとつの地域を紹介しています。その地域とは・・・・
ハイ、私の故郷「延岡」ですね〜 
私が知らない鎮守の森、気付いていない海・山・川始め自然の素晴らしい景色、懐かしい愛宕山から見下ろした一望などなど、よくぞ映像化してくれました。宝です。

それから嬉しいことに、このDVDには私が小学2年生の時に取り壊されてしまった小学校の木造校舎が、ほんの少し写っていました!
その校舎の木の床や棚を、私たちは糠袋で拭くよう先生からご指導頂いていたのですが、母が作ってくれた糠袋で一生懸命拭くと木がピカピカに光って応えてくれる、そんなお掃除が私は大好きでした。木という素材が好きになった私のパーソナルルーツはここです。

取り壊される年の夏休み、登校日に学校へやって来ると、いつも木造校舎の窓から見えていた大きな銀杏の木が、切り株に変わっていました。きょとん・・・?切られたと気付いた瞬間、怒りが混ざった悲しみが沸き起こり「そんなことしていいと?!」とひとり心で呟きました。
新しいRC造校舎の床はPタイルで、モップでジャバジャバ掃除する方法になりました。反射的に木造の敵とRCを捉える習性は、この時身に付けました。(笑)

風邪引きサンタクロースさん(クシュン!)、素敵な贈り物、ありがとうございました。
そして一日早いですが、お誕生日おめでとう
                今年も素敵な一年にしましょうね〜

2010年06月14日

クラス会

蔵at 蔵

日曜日は大学近くの『蔵』にて10年ぶりのクラス会
会場突入と同時に「ぶん」と皆に呼ばれて、一気に学生時代へワープ。
学生時代の愛称で呼びあうと、ほんと、すぐにタイムトリップできますね。
それにしてもこのクラス、みんな若々しいのはなぜかな?

卒業以来の人あり、しょっちゅう仕事で会っている人あり、
昨年初産で出産した人あり(すごい〜!!)、学会で受賞した人あり、
空から参加した人あり、しっとりマダム風な人あり、
娘三人のママでありながら全く学生時代と風貌の変わらぬ美しき人あり・・・
先生方も御一緒して下さり、感謝感謝です。
高い出席率は幹事さんのご努力の賜物。
幹事さん、とても楽しいクラス会を企画して下さり、ありがとうございました。
家に戻ってからも心ホカホカで過ごせましたよ〜

お知らせ
クラスメイトが本鵠沼にフランス菓子屋さん『ミル・プランタン』を開きました。
お近くに御寄りの際は、ぜひ、お立ち寄りくださいね!

さあ、今年も梅雨入りです。
じめじめ気分を吹き飛ばして、はりきって参りましょう!!

2010年05月10日

for 母の日

フォトブック昨日、母に贈りました。
今年のお正月に、私がいつもの如く母のお節をデジカメで撮っていると、「写真に焼いて見せて欲しい」と申しましたので、ならばとこれまで撮りためたものをフォトブックにしてみました。でも、撮影の機会は年一度正月にしかありませんので、母の料理だけではページが余ってしまいます。それで以前母が感激していた“修善寺あさば”さんのお料理と一緒にしておきました。一流プロの料理を参考に、励みとしてくれれば嬉しいものです。

写真に撮るようになってから、母の盛り付けに対する意識が増したように感じます。
これは、見られる意識で美しくなっていく芸能人と同じ現象でしょうか・・・?

2010年01月12日

0から始めて幾星霜!

counter30000 なんとも気持のよい並び。
 きちんと片付けました的。

これからも皆さま、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2008年12月13日

緩和ケア

「命を脅かすような疾患にかかった患者と家族に対して、病気の早い段階から身体的苦痛のみならず、心理的、社会的な苦痛、スピリチュアルな苦痛に適切な対処をしていくもの」そして「家族や患者のQOL(生活の質)を高めていく」ことを目的としている。
市川準監督で映画化もされた『病院で死ぬということ』の著者である医師山崎章郎さんが2年前に開業された場所が小平であるとわかった時、闇の中に光が射したような思いがしました。最期までその人の尊厳を保ち、在宅で過ごすことが可能な医療システムが小平にはあった。
なんという運の強さか。いや、何かが引き寄せたのか。

女性建築技術者の会に入って間もない私が会計という役を仰せつかった時、収支が合わなくて頭を抱えていた私に「いい?花子さんが100円を持ってお使いに行きました・・・」と、まるで小学生に算数を教えるように、考え方を説明して下さいました。
一円の狂いもなくぴったり合った時には二人で万歳!!
それからも、事あるたびに的確なアドバイスをして下さいました。
ありがとうございました。
聡明で心優しき素晴らしき先輩、心よりご冥福をお祈り致します。
きょうはあれから12回目の総会です。
総会あとの宴では、みんなで楽しくお酒を呑みたいと思います。
しんみりするのはお嫌いですよね!