2019年02月20日

本末転倒のキャンパス計画

創立120年記念事業としてキャンパスデザインリニューアル中の日本女子大学。先日の講演会でグランドデザインを担当されている妹島さんからお聞きしたのは、植樹で誘う動線により滞在型キャンパスをつくる、という構想でした。
敷地が狭いこともあり、これまでは樹木の少ない殺風景なキャンパスでしたが、今後は学生数の減少や施設の高層化により植樹スペースの拡大が可能となったということなのだろうと完成を楽しみにする日々に突入しておりましたところへ、飛び込んで来ましたのは「シンボルツリー伐採計画」のびっくりニュース。
1905年に植樹され、既に110年を越える期間シンボルツリーとして大学の歴史を見守り続けてきた楠を、施工中邪魔になるという理由で伐採するのだそうです。楠の樹齢は何千年というスパンで、1905年入学時に植樹に携わられたという6代学長上代たの先生も、伐採されることなく長くここに在り続けて欲しいと願って植えられたであろうことは想像に難くありません(ちなみにかつて目白に有った上代たの邸の設計者はいつもお邪魔しているクロスクラブの山口文象さん)。
あさが来た』というNHK連続ドラマで有名となった広岡浅子先生も、現大学の浅はかさを嘆いておられるのでは?と思う残念なニュース。

学生有志が伐採せずに残して!と署名活動を始めましたので私も署名しました。
伐採理由として掲げられている3項目は何れも対処可能と思われます。
骨子
クリックすると拡大出来ます。


ご賛同頂ける方は、こちらよりご意思を表明頂けます様宜しくお願い致します。

4/12 追記
署名活動により、「伐採」⇒「移植」と計画が動いたようです。
         https://jwu-kusunoki.amebaownd.com/posts/5976875

chou23 at 17:23│Comments(2)news 

この記事へのコメント

1. Posted by まるの   2019年02月25日 21:43
5 saanaをはじめ、妹島事務所の設計には関心をもってきました。
…しかし、個人宅や広い広い敷地が用意されている地方の美術館などなら、妹島氏の世界観はいかせるのかもしれませんが、都会の、狭い敷地しかない大学のなかに建てる建物の設計に関しては、素人としかおもえません。
低層棟の妹島という代名詞でよばれる人が、新キャンパス設計をするときいたとき、まさか目白の限られた敷地にも低層の建物はつくらないだろうから、どんな建物になるのか、たのしみでした!
ところが…聞いてびっくり!
校舎は低層のみで、敷地がたりないから、まず図書館を道路の向こう側の幼稚園の敷地に建てると!その図書館も妹島様式なので、本は増やせないとのこと!西生田の図書ははいらないそうです…せっかくの統合なのに…
そして今度は大事な先輩方の記念樹を切ろうとするなんて!
工事車両が入らないのも、高さを低くするため、横にひろがる建物の設計をしたからではないですか!土地が限られる都会のキャンパスなのだから、高さを高くして、建坪を抑えればいいじゃないですか!
どうして、こんなデザインありきの、学生・卒業生や教育ファーストの建物をつくらないのか、わかりません。
いまの学園や大学の人たちは何を考えているのでしょうか?悲しいです。
2. Posted by 23   2019年02月27日 17:36
コメントありがとうございます。妹島さんが伐採を計画されたのか、或いは図面には継続して存在するよう指示されたが施工者側から伐採を要求され承認されたのか、或いは全く伐採をご存知なかったのか(その程度の関わりということになりますが)、正確な情報を私は入手できておりません。学生の手で植えた記念樹を、学生に知らせず伐採するということは、春休み明けて出てきたら、あれクスノキがない!となる訳で、学生には空間を盗まれた感が残るでしょう。そこに異議を申し立てたいという学生の意志に、まず私は賛同します。その上で、高額な別途費用も発生させずに、記念樹が在り続けるよう、関係各位の英知を結集させて頂きたいと思います。





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