2013年08月21日

映画のはしご

先日打ち合わせにお邪魔したら、建て主のお母様が寝室から出ていらっしゃって、「今日はちょっと具合が悪いので横になっているんです。」と仰る。
如何されたのかと伺えば、昨日『ひまわり』という映画を観て心労が祟ったとのこと。
その映画のことを知らなかった私は、内容を教えていただきました。
未返還時の沖縄(1959年)で、米軍戦闘機が宮森小学校に墜落し、当機パイロットが早々に機を放り出してパラシュート避難し、ギリギリまで舵を執り小学校を避け空地へ墜落させるというパイロットとしての使命責任を放棄したために、多くの児童が亡くなった、という事件を取り上げたものとのこと。
「お母さん、どうしてそんな映画観に行ったの」と建て主さんが仰ると、「だってあんなに凄いとは思わなかったんだもの。。。映像を観てこの界隈が空襲を受けた時のことを思い出してしまった、私は妹たちの手を引いて逃げたんです、でもどちらに逃げればよいのかわからなかった、火の流れは風向きで変わってしまう。。。こんなに大きな火の玉がボン!ボン!って飛んでくるんです!」     

ひまわり
『ひまわり』とは、どんな映画なのだろう・・・と、単館上映で既に近場の映画館ではやっていませんでしたが、少し足を延ばして私も観に行ってきました。
涙してしまう場面も多く、悲惨な出来事がとてもしっかりと描かれているのですが、ラストは未来へ向けた沖縄の思いが描かれましたので、私は翌日に心労を持ち越すことはありませんでした。このお母様と私との、映画から受ける心労の量の違いは何によるものかと考えましたら、それは戦争を体験しているか否かの違いに他ならないと思いました。

その後引き続きジブリ映画『風立ちぬ』を観に行きました。
なぜこんなぼやけたファンタジーでまとめるのか、なぜこの映画が称賛されるのか、分かりませんでした。まあ、途中寝ちゃったんですが。。。

ちゃんとしっかり最後まで観た隣人に感想を求めると、
「一言でいえば、ムカツク映画。」とのこと。私と同様否定的です。
これを試写で観た宮崎監督は「初めて自分の作った映画を観て泣いた」そうなので、なぜこうも感想が食い違うのかと考えてみましたら、この映画は戦争時大人だった人に向けた映画なのではないかと、つらくならないようにファンタジーを被せたのではないかと、先の感想に結びつく考えに至りました。宮崎監督は自分の優しさに泣いたのではないかと・・・。そうだとしても・・・、そうではないとしても・・・、
ああ、ユーミンの『ひこうき雲』まで嫌いになってしまうではないですか。。。

外交上、抑止力上云々、甘ったれた頭でとやかく考えることではなく、戦争はダメ。しない。
これは体験がなくとも与えられた情報で私は確信できます。
「はだしのゲン」の閲覧制限もニュースで流れましたが、戦争を知らない大人たち、ぼやけたファンタジーに甘えないで、もっとしっかりしましょう!

『ひまわり』の情報はこちらからどうぞ。

chou23 at 09:59│Comments(0)TrackBack(0)cinema 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔