2018年06月20日

分解

阪神淡路大震災の経験があったにも関わらず、小学校のブロック塀が危険なまま放置されたのはなぜなのか。楽しい絵をブロックに描くという試みが行われた際に、構造の検討がなぜなされなかったのか?当時の行政長や教育機関長の指示はどうであったのだろう?東日本の後には、水害以外に気が廻らない行政を当てにせず、自主防災の必要を感じて学区のハザードマップをつくるという小学校も出ていたのに、無念です。

物がどうつくられているかということへの関心の低さが根底にあるとすれば、そこから変えていかないと。私が木造の建物を真壁でつくる理由のひとつはそこ。自分の家がどういう構造で成り立っているのかを住み手が把握しやすいように、真壁を選択し小屋組みも顕すようにしています。防火の視点がそれを難しくしてしまう都市部の背景はありますが、基本は真壁。

自分でつくるものであれば構造は理解できますが、既成のものは分解してみないと判らない。「何でも分解してみたくなるんですよ」という人に先日出会いましたが、そういう人、好きです。手作りするという小さなことでも、ものの構造への関心は高められると思います。ものごと分解すること、既成品に頼らないということを頭の隅に置いておくことが大切なのだと思います。

IMG_1258のコピー
写真奥、丸いガラスブロックが連なる部分は「大壁」、他の部分が「真壁」

※真壁:構造部材としての柱を顕す、古来より木造にて伝統的に用いられている工法。現代は「大壁」と称するクロス等の仕上げ材で柱を覆い隠す手法が多く用いられるようになっている。     

chou23 at 13:52│Comments(0)essay 

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