2008年04月25日

千葉教会 教会堂

千葉教会
先日、千葉県庁近くにある『千葉教会』の教会堂保存修理工事の現場見学会に参加してきました。
1895年(明治28年)工期約2か月で建設された建物ですが、100年を越えて現存しています。設計はドイツの建築家リヒャルト・ゼール。ゼールによる東京三田に新築された美以教会会堂の設計図を貰い受けたのだそうです。
施工は東京の大工近江某。
当初正面左手にに尖塔があったのですが(教会HPの表紙スケッチ画参照)、竣工16年後、明治44年の台風により倒壊していまいました。

柱脚部今回の修理工事は神父の娘さんがひょんなことから柱根元の傷みに気付き調査を依頼したことがきっかけとなったそうです。柱を仕上げ材が覆い隠す大壁造りですので重要な構造材が普段は目に触れません。
傷んだ柱の根元を交換するために一旦柱を土台から外して建物ごと持ち上げる「揚家」をすべく、既に柱脚部には鉄骨が渡されていました。

以前岩瀬建築さんには曳家工事の見学でもお世話になったのですが、今回は移動が上下のみとはいえ、古い建物ですから揚家の瞬間は緊張が走ることでしょう。
基礎は煉瓦6段積み(幅230)フーチングに当たる箇所3積み。その下部はコンクリートで厚み240。土台は背150幅165、柱は165□。

礼拝堂 折上天井見学会では、工事を請負われている岩瀬建築さんとハンマービーム工法に詳しい先生方の講義をお聞きすることもでき、様々な木造屋根架構のデザイン資料を用意していただき大変有意義でした。


この教会堂はスパン4間を両側より4尺5寸持ち送り、タイバー22Φにより引っ張り、さらに折上げて、棟束を受けています。
ちなみにハンマービームという名称は持ち送り端部の突起したデザイン(擬宝珠を施した部分)がハンマーの様だからではないかとのことでした。
このタイバーがどこに止められているのかは構造上重要で、ちゃんと桁の外側から引っ張られていることが構造計算上必要なのだそうです。
タイバー端部

chou23 at 18:10│Comments(0)TrackBack(0)survey 

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