2007年06月17日

主婦の床の間は、台所

「主婦の床の間は、台所なんや」
これは先述の『THE BIG ISSUE』特集記事「匂いを考える」での二部治身さんの言葉です。庭から摘んできた様々な花や野草が、小さな空きビンに活けてキッチンに飾られている、そんな写真とともに紹介されていました。
これらの柔らかな色彩や香りを楽しみながら家事も楽しむのだそうです。
二部さんは100坪の畑を自ら耕し、挿花家であり講演、文筆業も手がけられていますから、お忙しい生活だと察します。
それでも、このゆとりはなぜなのでしょうね?

やはり自らの労した経験が五感を敏感にさせ、体力も知力も豊かにさせるのでしょう。楽だけをより分けて選んで居てはだめでしょうね。

冷暖房の閉めきった部屋にいたら、五感が消える。窓を開けて蚊取り線香をつけ、団扇であおぐ。そうしたら、夏の香り、夕立の匂い、夕立があがったときのもわっとした草いきれ、土の匂い、太陽にあたった葉の濃い匂い、そういう匂いが身体の中に染みわたる。日本の四季を若い人にもっと香ってほしい、匂ってほしいと提案されています。

先日、夜、事務所を一歩出た時に、夏の香りが鼻に飛び込んできました。
それはご近所の方が焚かれた蚊取り線香の匂いでした。
窓を開けて生活していらっしゃる古い一戸建てのお宅です。
ああ、もう夏の準備をしなくては・・・と、
背中をポンと叩かれたような気がしました。


chou23 at 08:15│Comments(0)TrackBack(0)people | neighborhood

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